なんで今更サンタ?って感じですが、ここはイタリア、大幅遅延はあたりまえ、スローフードの町から発信ってことでお許し願いたいです。でもこの話、面白いですよ(2行目にして自画自賛・・・)。
今、世界的になぜか「クリスマスの飾り付けを奇抜に!」という傾向になっていますね。日本は家や庭に電飾を張り巡らして「派手な電飾イルミネーション」が流行っていますが、イタリアでは2、3年前から「壁掛けサンタ」が流行っています。サンタが壁をはしごでよじ登っているというオーナメントなのですが、一見は百聞にしかず、下の写真たちをご覧ください。

「よっこいしょ。プレゼントはいらんかねぇ〜?」

「どれどれ、ツリーはちゃんと飾ってあるかな?」

「いらっしゃ〜い」「いい子にしてたかなぁ?」「配達疲れるなぁ」
すごいでしょ。すごいんです。裏道に入るとこんなサンタがぞろぞろといるんだから、夜、小道を曲がるとドキッとすることがあります。でもすぐに慣れるんですが・・・。
最後の写真の左端なんて、まるで本物のサンタ(でも本物のサンタは君の心の中にいるんだよ)。無駄にアップして見てみましょう・・・(ちなみに僕のイタリア人の仲間内ではズームして見ることをズンモロと読んでいます。←ま、どうでもいいですが)

ドーン!!!
こ、怖いです。グラサンかけたニヒルなサンタさんなんて、そうそういないと思います。きっと森田家か舘家か恭平宅にしか来ないでしょう。中世の町オルヴィエートには不釣り合いな出で立ちです。
で、みなさん写真を見て、何かにお気づきでしょうか?みんななんとなく「臭い」と感じたのではないでしょうか?
そうです彼らはどことなく「うさんくさい」んです。どの辺りがうさんくさいかというと。。。

片足上げているところなんか、かなり人体の細部まで再現してますし(さすがダヴィンチの出身国)、両手ではしごを持つためにプレゼントの袋を「リュック型」にしょっているなんていかにも合理的。

そうです、どのサンタも窓近くに設置されていて、はしごをよじ登りながら窓から入ろうとしているのです。4枚目の写真なんかベランダに入ろうとしているではありませんか!本物のサンタさん(みんなの心の中にいますよ、新年の挨拶はすみましたか?)は、窓やベランダからではなく、トナカイの引くソリで空から登場し、煙突から家に入るのです。僕のおばあちゃんが言っていました。

もうヤカラと呼ばせてもらいますが、最後のサンタさんは袋を2個も持っています。一つは背中に、もう一つは左手に。しかも色違い。怪しいです・・・。
で、ここからが本題。いままでのはほんの前置きです。自分でも長過ぎだと反省しています。
僕のブログを2年以上読み続けて、イタリア通の人はピンと来ているでしょうが、2年前にこのサンタの格好をした泥棒が登場しました。その名も「サンタ泥棒!」・・・そのままです。ま、これだけ町にサンタが溢れ出したら、いくら鈍いドロボーでもピントくるでしょう。「そうだ、ハンズに行ってサンタの衣装を買ってこよう。先行投資だ・・・」と。
イタリアは「唯一泥棒の学校がある国」と言われるほど、スリ、窃盗、強盗、誘拐の多い国です。彼らはこの冬の風物詩に目をつけ、サンタの衣装を着込み、人目につこうがへっちゃらという意識で、大胆な強盗に踏み切ったのです。事件の詳細は分かりませんが、捕まった犯人もいます。壁にへばりついたサンタが「もそもそ」動いていたら、誰でも通報するはずです。だって本物のサンタは心の中にいるのだから・・・。
この一連の窃盗事件は大きく報道され、北のある町では「壁にサンタのぬいぐるみを飾り付けることを禁ずる」という条例もできたのだそうです。(友達情報で、ネットで検索したのですが、確認とれず)
で、さらに後日談。(ほんとに最後ですのでご安心を・・・)
今年は「サンタ泥棒発生」のニュースが目立たなかった変わりに、なんと、この「サンタ人形泥棒」が発生しました。訳が分からなくなってきましたが、このクリスマスの飾りであるサンタの人形が多数窃盗にあったというのです。
ある家族は「私たちのサンタを返して!情報提供者には15万円払います!」という告知も出したほど(彼らのサンタは木製で、おばあちゃんとお孫さんが一生懸命作ったのだとか)。なぜサンタの人形が窃盗のターゲットになったのか?人形自体は決して高いものではないですし、転売なんてほぼ不可能。サンタコレクターの仕業か?それとも誰かがサンタを集めて世界征服でも狙っているのか?謎が深まるばかりですが、答えはとても「イタリアン」な理由です。
サンタの人形がクリスマスの飾り付けとして使われ、窃盗の片棒を担がれたことから、1年ほど前に「壁掛けサンタ解放委員会」という「複数の」団体が作られたのです。ま、彼らのやっていることは窃盗な訳ですが、彼らの言い分がこれまたすごいです。
「サンタは壁にしばりつけ、野ざらしにされるものではない。ましてはしごを登って窓から入るなんて行為はしません。私たちは人間の勝手により、ロープで縛られているかわいそうなサンタたちを無事解放し、彼らの権利である自由を取り戻します。」
サンタ人形の被害にあったある家族には、怪盗ルパン並みの声明文も届いています。「あなたたちの壁掛けサンタは我々が解放した。駅近くの森に行けば自由になったサンタを確認できるだろう。」

PS. この話はすべて実話ですが、かなりイタリアらしく思います。でもこの「サンタさん装飾熱」まだ数年続きそうです。ハイ。
(彼ははしご無しの、ロッククライマー出身です)









