
えーっと、不謹慎ながら楽しみに待っている方が多いとのことで「事件の続き」です。
どうぞどうぞ読んでやってください。済んだことはしかたがない。もうクヨクヨしてないよ・・・。あ、、、、目から汗が・・・。
前号(レストランにて)からの続き・・・(長文です)
インターネットバンキングの口座凍結を済ませた僕と彼女(デズィ)とフランチェスコは、ウフィッツィ美術館裏にある警察署を目指しました。盗難届けを出しておけば、運が良ければ手帳は見つかったりするのではないかと、甘い期待をもちつつ。
僕だけではないと思うのですが、イタリアの警察署ってちょっと嫌な感じです。昔の言葉でいうと、なんか足を踏み入れたとたん二度と「おてんとうさま」を拝めないような気がしてくるんだから不思議です。これも外国生活の被害妄想、ストレスのたまものなのか・・・
ウフィッツィ美術館裏の警察署もなんだか物々しい門構え、せめてバール風にラジオなんかを流してくれていたら入りやすいんだけど・・・。
そんな時、デズィが言いました
「ツヨシは良かったね、滞在許可が下りているんだから。不法滞在の外国人だったら、訴えることもできないんだよね。」
たしかに僕は滞在許可証もある、イタリア政府に許可された外国人移住者です。でも、この場面でそんなこと言ったら、なんか怖い。。。今は、とことん臆病になっているんだから・・・
カメラの付いた入り口のインターフォンを押し、ギーーーギーーーと音が鈍く響く門をくぐりました。開いた門は閉まるのが当たり前、背後で音をたてて閉じるのを聞くと、ほんとぞっとします。
建物の中は日本の警察とよく似た殺風景なオフィス風。入り口のすぐ脇に、パソコンに向かっている30歳くらいの若い警察官が無愛想に声をかけてきました
警:「何の用なの?」
ツ:「カバンを盗まれてしまって」
警:「で?」
ツ:「盗難届けをだそうかと・・・」
警:「他の人たちは?」
ツ:「友達です」
3言の会話でもうプレッシャーをかけられました、最後の方の僕の声は生まれたてのヒヨコよりもか細いです。

この時点ではまだ僕はさっさと盗難届の調書作成して、とっとと追い返されると思っていたのです。でも違うんです、この僕の端正な顔立ちをもってしても、不法入国者かチェックをし始めたんです。
警:「国籍は?」
ツ:「日本人です」
警:「身分証明書を出して」
ツ:「ドウゾ」
免許書と税務番号カードを提出する僕。
そのデータを見ながらなにやらパソコンに入力。イタリア警察のデータベースに「ドウ ツヨシ」という、か弱い間抜けな日本人を照会しているようです。
警:「君はイタリアに住んでいるのか?」
ツ:「はい」
警:「最近、警察に尋問されたことは?」
ツ:「な、ないですが・・・」
警:「2年前から一度も尋問されていないのか?」
ツ:「に、に、2年前?一度も尋問はされたことがないです・・・」
この辺で彼の声のトーンが変わってきました。僕は冷たく固いイスに座りながら、ジャン・マリア・ボロンテ主演の「殺人捜査」を連想してしまいました。それほどビビっていたのです。その後彼は他の警察署、さらには移民局に連絡をしています。
ここで僕は、なんかヤバいことになっている?と危機感を感じ始め、離れたところに座っている友達たちも「なんだかおかしい」と感じているのが顔から見て取れます。
あわてて僕の彼女が助け舟を・・・
デ:「彼は3年前からイタリアに住んでいて、きちんと滞在許可証も持っていますよ」
でもそんな声を彼は無視。さらに追い打ちをかけるように別の2人の警察官が到着、その1人が
警:「なにやらかしたんだ、この中国人は?」
切れたデズィがすかさず
デ:「彼はイタリアに住居をもっている日本人です!」

さすがにその警察官は自身の軽卒な言葉に恥じたようで、顔をちょっと赤らめました。
その折、ほかの2人の警察官がヒソヒソと話しているのがちょっと聞こえました。それによると僕の問題は登録されている滞在許可証のデータにあるらしく・・・
・オルヴィエート在住のTsuyoshi は存在するが、日本人女性として登録されている
・登録データは2年前で更新が止まっている
そこではたと気づきました。僕は滞在許可証を日本から着いたばかりのリュックに入れたままで、ここフィレンツェに持っています。それを見せたらこの場から解放されるのではないかと。そのことを告げるとフランチェスコが
フ:「僕がバイクで書類を取って来てあげるよ!」
ナイス、フランチェスコ!
・・・待つこと約30分。汗だくになって到着した彼の背中には、これまた日本で買ったばかりの僕のリュックが。。。
滞在許可証を取り出し提示すると、一気にみんなの態度が変わるのでした。
警:「こういうことになるから、滞在許可証は持ち歩いていた方がいいよ」
ここで無罪放免。
この間、約50分。ペットボトル2本分の汗をかきました。
僕のこの時点での日本帰国希望度は120%。他の二人も僕をたいそう気の毒に思ったらしく、
「ようこそおかえり、美しい国イタリアへ」
と冗談を交えて励ましてくれたのでした。
2週間経ってこの記事をかいている時点では帰国希望度30%程度。ようやくイタリアのリズムに慣れてきました。ハイ。

近くの乗客は「列車のガソリンが切れたらしいぞ。ハハハ」とふざけています。
今の帰国希望度は40%に増加しました。トホホ・・・










