オルヴィエートの映画館。ちいさいけれど綺麗でしょ。元教会を改造したらしいです(イタリアらしい・・・)。上映5分前に入ったのに他に人がいなくてびっくりしました。
昨日『il papa' di giovanna』の映画を見て来たのですが、その感想は最後に書くとして、まずはイタリアの映画館について説明したいと思います。
イタリアはかつて映画大国でした。映画は庶民の娯楽ナンバーワンで、多くの優秀な映画が作られていたのは皆さんもご存知でしょう。ムッソリーニ政権下では映画撮影所「チネチッタ(cinecitta')」が建設され、フェデリコ・フェリーニ監督やルキノ・ヴィスコンティ監督が大活躍したのです。
その後、テレビに押されてイタリア映画は衰退してしまいます。「ニューシネマパラダイス」でも時代の流れによって映画館が閉鎖されてしまいますよね。映画産業は衰退しましたが、映画館は庶民の憩いの場であることは間違いなく、料金も日本より割安です。
町によって映画の料金は様々です。フィレンツェで7ユーロ(約1,000円)、オルヴィエートは6ユーロ(約900円)です。そしてどの町でも週に一度、割引デーがあります。オルヴィエートは水曜日で、4.5ユーロ(約700円)となります。僕ももっぱら割引の日に行きます。
オルヴィエートの中心街には映画館が一つだけあります。その中にホールが2つあり、毎週放映する映画が変わっていきます。つまり週に2本ずつ新しい映画を見ることができるのです。上映時間は夕方6時頃から夜1時ころまで。だいたい3回上映されます。
あとイタリア映画で特徴的なのが、ほぼすべて「吹き替え」です。
昔オルヴィエートに留学に来ていた女の子が『ジュリア・ロバーツってイタリア語も話すのね』と言って一緒に大笑いしたのですが、それは「吹き替え技術」がとても高い証拠でしょう。イタリアで映画は庶民の娯楽だったため、文字の読めない人でも理解できるよう伝統的に吹き替えなのですね。
イタリアの映画上映の特徴を列挙します。国民性が出ます。。。
- イタリアの映画には予告やコマーシャルがほとんどないです。上映時間ちょうどにホール内が暗くなり、その5秒後には本編が開始します。
- 2時間の映画だと前編と後編に分かれて、途中で10分程度の休憩時間が入ります。その間ホールは明るくなってドリンクを売りに来たり、友達と映画談義が始まります。
- エンドロールは見ません。映画が終わっても余韻と言うのがないんですね。映画館によってはエンドロールに入った瞬間にホールの電気がつきます。観客ももちろんすぐに帰り支度です。
- 大声で笑う人はもちろん、映画に向かってヤジを飛ばしたりしする人もいます。最近は行儀悪いということでだいぶ減りましたが・・・
- 友達や恋人と行きます。僕みたいに一人で来る人は少ないなぁ〜。やっぱり見た後に感動を共有しないと寂しいよね。
ということで、一人で見た映画は、映画の内容もあってちょっと寂しくなりました。イタリア語的に少々わからないところもあって消化不良といった感じです。隣のホールではコーエン兄弟作、ブラピやジョージクルーニーが出演している「Burn After Reading」が上映していたのですが、あっちを見るべきだったかも・・・。
『il papa' di giovanna』の感想
内容は40年代ファシスト政権下の父と娘の愛の物語。父が娘を溺愛するばかり娘は徐々に壊れていく。幸せに思えた家庭も、娘が起こした事件をきっかけに崩壊。娘は精神病院に収容されてしまう。戦争が勃発してボローニャも戦火に入り、さらに家族や友達の仲を割いていく。。。
僕の得点は「6.5/10」といったところかな。前半は期待して見れたんだけど、後半は戦争による生活の変化、町の変化に重きが置かれ、あんまり感情移入できなかった。ちょっと残念です。あと久しぶりの映画で言葉がなかなか耳に入って来なかった。やっぱり吹き替えの外国映画の方が僕の語学レベルには合うみたいです。ハイ。
内容は40年代ファシスト政権下の父と娘の愛の物語。父が娘を溺愛するばかり娘は徐々に壊れていく。幸せに思えた家庭も、娘が起こした事件をきっかけに崩壊。娘は精神病院に収容されてしまう。戦争が勃発してボローニャも戦火に入り、さらに家族や友達の仲を割いていく。。。
僕の得点は「6.5/10」といったところかな。前半は期待して見れたんだけど、後半は戦争による生活の変化、町の変化に重きが置かれ、あんまり感情移入できなかった。ちょっと残念です。あと久しぶりの映画で言葉がなかなか耳に入って来なかった。やっぱり吹き替えの外国映画の方が僕の語学レベルには合うみたいです。ハイ。
ああ、やっぱりけっこう重いんですね。
ちょっと観てみたい気もしますけど。
イタリア人声優の吹き替え技術は、けっこう高いって言われていますね。
わたしは、外国語作品の日本語吹き替えはあまり好きではないのですが、イタリア語吹き替えはたいてい許せるかな〜。(ってか、イタリアではほとんど吹き替えなので、選択の余地がありませんが)オリジナルが英語や欧米系の言語の作品の場合、絵的に欧米系の人が日本語を話しているように見える日本語吹き替えに比べて、見た目にあまり違和感がないからかな?と思っていましたが、反対に日本映画などでイタリア語吹き替えになっていても、なんとなくすんなり受け入れられました。ちなみに、イタリア人声優の吹き替えだけど、オリジナルの日本人俳優/声優の声に似ているとか発見すると、本人がイタリア語を話しているみたいで面白かったです。(「仄暗い水の底から」の黒木瞳のイタリア語吹き替え、「ドラえもん」ののび太の吹き替えとか、わたし的にはオリジナルの声に似ていると思います〜)
そうそう、ジュリア・ロバーツと言えば、「プリティ・ウーマン」を英語オリジナルの日本語字幕版とイタリア語吹き替え版と2種類観たことがありますが、わたし的には、イタリア語吹き替えの方が、本人たちの演技以上に、ジュリア・ロバーツにしても、リチャード・ギアにしても、役者本来のカラーが出ているようでよかったです!(笑)
反対に、英語オリジナルで観てよかった作品を、イタリア語吹き替えで観て、あまりにパロラッチャが分かりすぎて興ざめした作品もあり、好きな作品だっただけにけっこうショックでした。。。(^^;;;;;
仏映画は、個人的に仏語の音で聴きたいので、日本語字幕の方がいいな〜。
「Burn After Reading」、CM観ていると面白そうで、そそられますね〜。ブラピのコミカルな感じがまたいいです。コーエン兄弟の作品は観たことがないと思いますが、すごそうだからそういう意味でも観てみたいです。
↑ちなみに、わたしのよく行く映画館の様子をURLに入れておきますね。(野外より室内の方が好きですけどね)
今から本当に楽しみにしています。
イタリアの方はエンドロールを見ないそうですが
ということはエンドロールの後におまけ映像がある場合は見れないんですね。
ちなみに私はいつもおまけ映像があるかと期待して最後まで見ています(^_^)
ところで、今日はもしかしてお誕生日ですか?
過去のブログで見てもしかしたら、と思いまして。
実は私も今日が誕生日なんです。
なんだか、オルヴィエートに呼ばれているような気さえしてきました。
(もし違ってたらすいませ〜ん)
初めて&一人だったので、
シートの色の違いに意味があるのかドキドキしたのを思い出しました(笑)
『il papa' di giovanna』残念でしたね。
私も、このタイトルとこのポスターだったら観ちゃうだろうなぁ
(でも日本語で...)
Poi, Tanti Auguri ☆
以前オルヴィエートに行った時に映画のポスターを見て、
『こんな小さな町に映画館なんかあるんかいな』
と思っていたのですが、立派なホールがありますね。
日本だとあのサイズの町の映画館は全滅じゃないでしょうか(郊外のシネコンになった?)
ちなみに私が最近見た映画でのお気に入りは邦画はキサラギ、洋画はバンテージポイントです。(古い?)どちらも複数視点で話が進むんですが、最後にパズルのピースがはまっていくのが楽しいんですよね。機会があれば是非どうぞ。
tanti auguri a te ♪ お誕生日おめでとうございます!
僕も映画大好きで良く観るのですが、長時間上映の場合、途中で休憩があるのはどうなんでしょか?
途中で話しが途切れるので、雰囲気にのめり込めない、と思う反面、一息ついて集中力が持続できそうで、それはそれで合理的なような気もします。トイレ休憩も必要でしょうし。
吹き替えは、それじゃあ日本映画も当然吹き替えになるんですよね。以前イタリア語の勉強しようとイタリア映画のDVDを購入したら、字幕が英語しかなくてショック!
先生に話したら、イタリアで売られている日本映画&アニメのDVDを購入するしかないと言われました。
僕は最後エンドロールは必ず観ながら映画の余韻に浸るので、終わる前に照明が点くのはちょっとしたカルチャーショックです。
イタリア人も余韻を楽しまないとは思わないですし、それはせっかちだから?というより、イタリア人の最大の娯楽は“会話”と聞いたことがあります。映画を観るのも、その会話のための話題提供的な部分があって、早く感想を語らなければ。ってことでエンドロールも飛ばしてしまうのかな?なんて思ったりしました。
因みに僕のイタリア語の先生(イタリア人)も映画好きでした。いまの僕のオススメは、邦画ですが滝田洋二郎監督の『おくりびと』です。機会があったら是非一度ご覧になってください○
日本の映画館だと、ケータイの電波が入ってこないような構造にしているところもいくつかありますが、そもそも教会を映画館にしているところだと、そんな心配をせずとも電波は入ってこないのでしょうか??
現地で映画を見たわけではないので私はイタリアの吹き替え技術がどれほど高度であるか判断しかねますが、言語というファクターが大きくものを言っている気がします。日本でも韓国ドラマ(の吹き替え)を見ていると、(一瞬ですが)全然違和感を感じないときがあります。これは、韓国語と日本語の文法構造が似ていること、そして、日本人と似た風貌を有していることなどから、そのような錯覚をすることがあります。(もちろん、全然かみ合っていない部分もあるのですが・・・)
イタリアの映画館は吹き替えっていうの初めて知りました。
日本映画観にいこうと思ってたのに…
残念です。。。
観に行きたかったらイタリア語を勉強しろ!って事ですよね(=_=;)
休憩時間も間にあったりと日本では考えれないけど、イタリア人らしくていいですね。
勉強になりました!!
日本でも見た後によって複雑ですものね!
好きな時に好きなものを見れるメリットと、やっぱり共有したい思いと・・・
私はその時に天秤が微妙に動きます。
(単なるワガママな私と一緒にしたら失礼ですね・・・笑)
4年と少し前、意を決してシエナに語学留学したのですが、理由があって2ヶ月で帰国しなければならなく已む無く断念しました。
なので映画館でイタリア映画は憧れます!!
大体が解れば凄いです。
羨ましいですよぉぉぉ
ブログでイタリア疑似体験させてもらってます。 勝手になんですけど(笑)
現在37歳、やり残してきた事必ず達成するぞ!! と。
リベンジ夢みて鼻息荒く日々奮闘してます。
なのでstuyoshiさんのイタリア生活も応援してます。
がんばって下さい。
あれ? 映画のコメント少なかったですね
・・・ すみません(汗)
以前イタリアの友達と日本で映画をみた時に、ハリウッドスターの声を初めて聞いたと感動していました、
逆に私は、イタリア語に吹き替えられているアルパチーノの声を聞いた時にかなりショックでした、、、
吹き替えの技術は凄いと思いますが、どちらの声も知っていると変にギャップがあってびっくりしました!
映画は結構重そうですね・・・、でもイタリアの映画事情がきけてよかったです!
そこで一句。
『人に言われて気づく36かな』
コメントがたくさんついたので、かいつまんでお返事します。
maghettoさんへ
お勧めしてくれた、滝田洋二郎監督の『おくりびと』。見つけたらぜひ見てみたいと思います。そしたら感想をアップしますね。
Sasakiさんへ
教会の中でも携帯電波は届きますよ(笑)。なので僕は電源を切ります。ただ携帯電話保有率が世界有数のイタリアでは、強迫観念をもっている人がいるらしく、マナーモードにしたままで、暗い映画館でメッセージなどを見ている人がひらほら見かけます。暗い中であの光る画面はとても気になるので止めて欲しいものです。
みゆきちゃんへ
そう、日本映画もイタリア吹き替えです。残念。
mikoさんへ
たしかに、アルパチーノの吹き替えは僕も違和感を感じました。逆に、あれこれ吹き替え?って思っていたらイタリア映画だったりします。そんな時もちょっと自分にビックリです。
Toshiさんへ
『キサラギ』は僕も見ました。なかなか楽しめました。部屋の中だけで繰り広げられる「舞台風」の狙いも僕は好きです。