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ツヨシのイタリア生活日記ブログ

イタリア生活、ニュース、留学案内、イタリアならではの珍事などを日本人がほとんどいないウンブリア州のオルヴィエートからTsuyoshiが楽しくブログで伝えます。

2009年05月08日

グラン・トリノと天使と悪魔

グラン・トリノ
日本でも4月25日から公開中の「グラン・トリノ」



ちょっとブログに間が空いてしまったので、映画の話しでも書きます。
オルヴィエートの図書館がリニューアルしてからというもの、ちょくちょくDVDを借りに行っています。DVDレンタルは移転してから始めたサービスなのでまだまだ作品は少ないのですが、レンタルビデオ店には置いていない渋い映画が多いので僕は大満足です。ちっとエロいのもあるのですが、さすがにそれにはまだ手がでません(笑)。。。


図書館のDVDは、ロベルト・ベニーニ、ナンニ・モレッティなどのイタリア人監督と、ウディー・アレン作品が充実しています。この辺は購入担当者の好みがおもいっきり反映されています。あと、町を紹介する観光局DVDとか、ワイン解説のDVD、ミケランジェロやカラバッジョなどの芸術家紹介もの、イタリアの歴史、コムニスタの歴史、などなかなか興味深いです。


映画館にもちょくちょく行っています。最近見たので良かったのが、クリントイーストウッド監督・主演の「グラン・トリノ」。もともとイーストウッド作品は好きなのですが、ここ最近の低予算映画はできが良いですね。日本でも4月25日から公開しているので、すでに見た人も多いと思いますが、どんな感想を持ちました?
彼の作品にはきまって「ヒーロー」が登場するんだけど、グラン・トリノに関して言えば、困っている中国系移民をやっぱりアメリカ人(白人)が助けるって構図がちょっとなぁ・・・と思います。多くの移民はヒーローの力を借りないでも自分で解決しているよ。アメリカ人好みの映画ですね。
でも彼の演技も良く、移民の男の子と女の子が可愛く、笑いもあり、かなりの高評価を得るでしょう。最後は僕もホロッときました。まだ見ていない人にはかなりお勧めです。


数日前にはローマで「天使と悪魔」のプレミアム試写会が行われて、主演のトム・ハンクス、ユアン・マクレガー、原作を書いたダン・ブラウンなどが来たそうです。この「天使と悪魔」はミリオンセラーの「ダ・ヴィンチコード」の前に書かれた作品で、バチカンを舞台に繰り広げられるストーリーです。でも、バチカンの怒りを買ってローマ市内の教会での撮影を禁止されたという、いわくつき。。。最終的にはナポリの隣、カゼルタの宮殿をバチカン宮殿に見立てて撮影したはず。映画公開にあたり、ローマ教皇のお怒りはまだ収まっていないようです。
映画は見ていないのでなんとも言えないですが、小説はとても面白いので、読んでいない人はぜひ読んでみてください。新書判の表紙はオルヴィエートのドゥオーモにある最後の審判のフレスコ画(ルカ・シニョレッリ作)なんですよ。これ、ちょっと自慢。これを読むとほんとローマに行きたくなるんです。天使と悪魔(上)

posted by Tsuyoshi at 00:41 | Comment(3) | TrackBack(0) | イタリア生活日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
グラントリノ
私も観ました

確かに「アメリカ人好みの映画」という点は、やはりそうだと思います。
クリントイーストウッドがこの映画で主張したかったことについて、賛同する訳ではありませんが、賛同するかどうかはさておき

この作品を「映画」として評価する時
監督の場面場面で表したかったこと言いたかったこと訴えたいこと最後に伝えたいこと
これがわかりやすく よくできていると思いました

確かにこれは「白人」による「白人」のための、そしてアメリカに住むキリスト教徒へ向けた映画であると感じました

なので日本人も含む他国のキリスト教に理解のない人の場合にはクリントイーストウッドの主張が理解し辛い人もいるだろうなと思いました

ただし日本人の場合は、日本人の中に昔から流れている「自己犠牲」の精神が最後の場面とかぶるので、その点において日本人受けする映画なのではないかとも思いました

映画の中でクリント・イーストウッドの演じる頑固爺さんはアメリカそのものであり父でありキリスト教ポーランド系カトリックの神である4つの存在をだぶらせてありました

昔世界のあちこちからたくさんの移民たちが夢と希望を持って渡ってきたアメリカ
どんな人でも夢を持って、能力と努力とチャンスさえあれば成功できるというアメリカンドリーム
経済に限らず世界のあらゆることのリーダーとして世界を牽引して行ったアメリカ
それが衰退してゆく姿をこの主人公の住むデトロイトになぞらえ
アメリカの自動車産業が繁栄していた時代を象徴する車「グラントリノ」
こんな素晴しいものを作れるアメリカだったはずなのにどんどん衰退し、外国の日本車に乗り、物を大事にせず、古いものはすぐに捨て新しいものをすぐ買う、銃器が溢れ、犯罪が増え荒れ果てる町、夢や希望を与えられないアメリカ
そんなダメになってしまったアメリカに
お前らもっとしっかりしろ!
アメリカ人としての誇りを持て!お前らアメリカ人だろ?
夢と希望に溢れた、世界をリードする強いアメリカじゃないのか?
ただ力と暴力で抑えることが強いっていうことじゃないぞ!
と言いたかったのじゃないかと
私は理解しました

最後のシーンはまるでイエスキリストのようでしたね
映画全体的にカトリック要素の強い映画でした
Posted by おれんぢ at 2009年05月10日 23:23
おれんじさん へ。
↑コメント、感心して拝読しました。
私も、先日「グラン・トリノ」を見ましたがこんな風には読み取れなかったわ。
観る人の持つ、知識やバックグランドで見方が違ってくるんですね。
見る前につよしさんのコメントを見ていたので、隣の家族が「モン族」である意義はあるかを考えながら見ました。
白人や黒人ではどうしていけないのか?って。
グラン・トリノが象徴しているものについてもずっと考えていましたが、おれんじさんのコメントでかなりスッキリ!


言われて見れば、本当に最後のシーンはイエス・キリストでした。


Posted by signora mamma at 2009年05月15日 10:37
何故にモン族か?ですか。モン族はベトナム戦争時にCIAに協力して共産主義と戦い敗戦時に大量にタイやアメリカに難民として出て行ったのです。アメリカはその後もモン族との関係を否定しています。未だにラオス内に残るモン族は差別や虐殺されていてジャングル内で短期で転々と移動しているって記事が確か昨年だか一昨年のN.Y.TIMESに出てたな〜。つまりアメリカにも裏切られて見捨てられた民族って事ですな。この辺も見ると何故にモン族か?の答えが出るのかもです
Posted by たけ at 2009年05月16日 10:03
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