まず最初に誤解のないように書いておくけど、イタリア人は結構仕事しています。でも日本人に比べると家庭を大切にして、家族と過ごす時間も多い。ということでイタリア6年目の僕が自分勝手に『イタリアの仕事観、家庭観』を綴ってみます。ちなみに僕は仕事バカでここに書くことはまったく実践できていません。。。
イタリア人は本当に仕事をしないのか?
日本人が持つイタリア人のイメージって『陽気で明るくいい加減』ですかね。イタリアを旅するとイタリア人はまるで仕事をしていないように見えます・・・なんでだろう。よく言われるのが『イタリア人の8割が自営業で、日本人の8割が従業員』。もちろん数字は大げさですが、傾向としては間違いないでしょう。自分でお店を持っていると好きなときにお店を閉めることができるんですよね。バカンスは平気で1ヶ月店を閉じますし、子供のお迎えが必要な場合は『すぐ戻ります』なんてメモを入り口に貼ってちょっと外出。もちろんカフェが飲みたくなっても・・・。でも楽しく自由に仕事をするにはこれくらいの『余裕』は必要でしょう。
忘れてならないのは『僕たちは楽しく生きるために仕事をしている』のであって、決して『仕事をするために生きている』のではないんだよね。この辺がイタリア人の頭の良いところなんだと思います。
日本人は仕事し過ぎなの?
では日本人は仕事をしすぎなのか。数字は良く覚えていませんが日本人はドイツ人の1.3倍くらいの時間働いているけど、GDPはそこまでの差がないそうです。要するに日本人の仕事は効率が悪いということですね。自分の時間を犠牲にして仕事にかける時間が長くなればストレスにつながるし、家庭をおろそかにすることになります。なによりも生きる喜びを感じられなくなるでしょう。その点イタリア人は人生を満喫しているようでうらやましいです。やっぱりある程度の息抜きは必要なんでしょう。
仕事に束縛されている人は、例えば毎週金曜日だけは定時に帰るっていう規則を自分に与えてみては。それも許されない職場ってのは、人生という長いスパンで考えた直した方が良いかと思います・・・

イタリアは動物たちも穏やかです。やはりストレスが少ないのかな。(写真はチンクエテッレのCorniglia)
定時出社&定時退社のイタリア人
イタリアの会社員は基本的に定時に来て定時に帰ります。17時55分になったらみんな帰り支度を始めて、59分にはパソコンの電源に指を置いて時計とにらめっこ(笑)。こんなところだけは時間にとても正確で、退社時間近くになると誰も電話に出たくないもんだから、オフィスの電話が鳴りっぱなしになるのもイタリアならでは。会社自体に残業時間制度がないところも多いようです。仕事よりも家族と過ごす時間を大切にしている証でしょう。でも最近は就業規則が厳しくなって、タイムカードを使うところも増えていますし、就業時間中にカフェの時間が多すぎるという理由で、カード式のカフェマシンを導入してどの社員がどれだけカフェに時間を費やしているかチェックする会社もあるんだとか・・・イタリア人には酷すぎる気がします。

アートも恋人同士が語らいます(写真はタロット・ガーデン)
イタリア人は家庭を大切にする
先にも書いたとおり、イタリア人は人生を楽しむために仕事をしています。余暇を大切にして、家族や友達と過ごす時間も多いです。週末に一人で家に閉じこもることはあまりないですね。金曜日の夜は友達と町に出てアペリティーボ、週末は恋人や家族と映画を見たり、ドライブに行ったり、家で夕食会を開いたりとなかなか忙しいです。仕事の疲れを癒すために好きな仲間と楽しく食事をしておしゃべりをします。
日本人から見るとずいぶんと『元気』ですが、これは日本人が仕事に疲れているからでしょう。毎日9時に出社して22時に帰ってくるなんて言うと、いつ友達と遊ぶの?なんて返事に窮する質問が返ってきます。

イタリアは家族の絆が強い。(写真はチンクエテッレのMonterosso)
理想はイタリアと日本の中間
イタリアの良いところばかり書いてしまいましたが、日本に比べると仕事の質は低いです。職人さんたちのように自分の仕事に誇りを持っている人は別ですが、仕事にパッションを持っていない人も多い。だから手抜きをするし、先延ばしもします。働く方も管理する人もルーズだから日本人から見るとイライラすることも多々あります。イタリア人は日本人の几帳面さを見習って、日本人はもう少し仕事の時間を減らして、家庭に目を向けると良いですよね。僕も家庭をもったらイタリア風に生きたいな、ハイ。
【追記 10/12】
僕は毎週金曜日、まるで『今日デート』のような、いつもより小ぎれいな格好で会社に行っていました。いつもより30分早く出社して、黙々と仕事。同僚に聞かれたら「今日はちょっと用事があるんだよね〜」なんて言いながら定時退社。1ヶ月も続けたら誰も気にしなくなりました。意外と使えますよ。ハイ。
僕は毎週金曜日、まるで『今日デート』のような、いつもより小ぎれいな格好で会社に行っていました。いつもより30分早く出社して、黙々と仕事。同僚に聞かれたら「今日はちょっと用事があるんだよね〜」なんて言いながら定時退社。1ヶ月も続けたら誰も気にしなくなりました。意外と使えますよ。ハイ。
日本で友達と休日にBBQをしていた時、
友達の携帯に会社から連絡があって、
夜に酔っているにも係わらず出社していきました。
イタリア語で表現するとすると、本当にCazzoだと思うんです。
日本はやり過ぎですが、イタリアの役所、特にQuesturaにはもっと働いて欲しいと思います。
イタリア人の仕事に対する姿勢に気がついたとき、カルチャーショックでした。
こんな生き方してもいいんだ、って。
人生を楽しむために仕事をする
そうじゃないと、長い人生を「まっとう」出来ないですよね。
彼らの生き方に感銘を受けてから、私の仕事に対する姿勢も変わりました(笑)
といっても、完全にイタリア人のようにはできないので、自分なりにうまく(?)アレンジしてる…、つもりです。
でも悲しいかな、心底染み付いている習慣には、なかなか「さよなら」できそうにないですね。
私も理想はイタリアと日本の中間だと思ってます。
イタリアのいいところと、日本のいいところのミックス。
これって、本当に理想ですね。
仕事とプライベートの区別、これがはっきりしてこそ、仕事だってはかどる、と思うんですが。
現実は不条理ですね。
イタリア人同僚と仕事をしたことがあります。その人が特殊だったと思いたいのですが、何しに海外に来ているんだ、と思うほど仕事にパッションもなければ公私のけじめもなかったです。プロジェクトも頓挫。
文化の違いなのでしょうけれど、仕事中にイタリアからのプライベートの電話を毎日2,3時間して、その間の仕事は翌日まわし。そんなに家族と話したいなら、なぜ海外に自分から望んで出てきたんだ・・・と謎に思いました。
そんな人ばかりではないと思いますが、
もしもそういう文化の国ならば、イタリアでは仕事はできないなと思いました。
同じヨーロッパでも、他の国の人はもう少し責任を持って仕事してるように見えるんですが・・・
日本とイタリア、ある意味対極にあるようで、その中間がベストなのかな、と思います。
日本は普段の仕事を見ても、サービス過多だと思います。タダでのサービスも多く、また、あまり必要の無い仕事をやり過ぎだと感じています。そこが、GDPの低さ、効率の悪さの一つの原因かもしれません。
家族のために仕事をしているのに、結局仕事が原因で家族と過ごせない。果たしてこれは家族のためなのか??と疑問に思っていました。
みんな、心のどこかで、仕事はさっさと切上げて、自分や家族との時間を多く取る方が良いって分かってるんです。でも、「上司にどう思われるか。」「お客さんを逃すんじゃないか。」って考えてしまうとできないんだと思います。
日本の習慣を変えることはできないけど、一人でこっそり実践しようと思います。「イタリアと日本の中間」。周囲や得意先の反応が見ものです♪
私はイタリアでの生活、イタリア人の友人たちから人生観が変わるくらい考えさせられました。
また時間の流れ方がほんと日本とは違う。
今もよく考えてしまう・・本当に豊かな生活とは何かを・日本は便利で生活は快適だけれど、何か楽しんでないよね。
友人も言ってましたが、イタリアと日本の中間があったらいいのにって。それを目指していますが・
このテーマ、話し出したら長くなりそう。
次回Orvietoでまた語りましょう。
Cazzoとはずいぶんとお下品な・・・(笑)。でも確かに役所関係はもっと働いて欲しいですね。お互い苦労しますね〜。
> rossoneraさん
僕も人生を楽しむイタリア人と出会ったとき、本当にカルチャーショックでした。そしてイタリアに移住しました(笑)。プライベートと仕事の区切り、大切ですよね。僕も変える意識を持つことから始めたいです。
> Kanataさん
そのイタリア人はとても特殊かと思います。僕の周りはきちんと仕事に責任を持っているので。でもルーズだったり、考えの甘い人は多いかな〜。
> なおさん
こっそりと実践、頑張ってください。僕は金曜日にはいつもより小ぎれいな格好をして30分早く出社。近寄るなオーラを発しながら黙々と仕事していました。これで定時退社はだれにも文句言わせなかったな。意外と効果ありますよ。
> あみさん
そうそう「豊かな生活」ってのがメンタルなものなのか、物質的なものなのか、ってことですよね。で、あみさんってどなた???う〜ん。
> mariさん
イタリアはたしかに生活は厳しいですね。共働きの人も多いです。やはり日本はお金持ちなんですよね〜。現在、ヨーロッパの若者は1000ユーロ世代と言われていますが、これは社会が変わらない限り当分は脱け出せないでしょう。
私は、まだ中学生なのですが…イタリアがすごく好きで、イタリアのことを調べてたりしてる途中でこのブログを見つけました。
つよしさんのブログを見ているとやっぱりイタリアっていいなぁ…と思います(><)私もいつかイタリアに行きたいですっっ
私はいわゆる「働き盛り」の世代ですが、ボローニャに来て、もし日本人がイタリア人のような働き方になったら、たぶん日本は経済的には破綻するかもしれないと思います。
またイタリアの社会や若者の就職などを見ても、日本の社会システムの素晴らしさを再認識することもしばしばです(日本国民て素晴らしい!)(ちょっと持ち上げすぎたかな?)。
イタリアに来て、あらためて日本が大好きになりました(イタリアも好きですが)。
イタリア式人生も素晴らしいと思いますが、それぞれの個人に合った、国民性にあった、それぞれの国の条件に合った働き方や人生もあるのだと感じています。
フランスにはフランスの、ドイツにはドイツの素晴らしい生き方があるのでしょう。
大切なのは考えることかな?(^^)っと思っています。
私がイタリア人の友達のところに遊びに行ってた時、土日は必ず出かけたり親戚の所や友達の夕食会に行っていました。バールにもよくいってましたし、、、その時は元気いっぱいだなぁって思いましたが、今回のつよしさんの考えも読み、確かに家族を大切にするし、仕事も自分の都合に合わせて、少なくとも日本でより融通がきいてると思いました。
お昼に子供の昼食を作りに仕事場からいったんうちに帰ったり、昼食を食べに外に出てゆっくりできたり、etc...
仕事はもう少し(特に公共機関)は頑張ってほしいところもありますが、何のために仕事をするのか、きちんとわかって実行できるのは素敵だと思います。何より家族を大切にできるって本当大切なことですよね。
私も本末転倒にならないよう生きていきたいです。
ああ、、イタリアの生活が、友達とその家族、親戚が、とても懐かしく恋しいです!!
イタリアにはいつか必ず来られるでしょう。楽しみですねぇ〜。夢は大事に育んでください。
> Via Valdossolaさん
たしかに考えることは重要ですね。日本人の勤勉さも好きです。でも「KAROSHI」が世界語になるのは悲しいですよね。
> りたさん
イタリアの家族愛を間近で見ると、やはり日本のあり方とちょっと違っているのを感じますよね。忙しいと自分の身の回りが見えなくなってしまうんだろうなぁ。
イタリア在住8年。結婚&一児の母です。
イタリアの魅力、人生を楽しむ無理しない生き方に誰もが共感すると思います。
論理的にわかっていても、20数年日本で生まれて生活してきた私には実際住んでみて、イタリアの生活に添えない部分がたくさんあることがわかりました。要するに頭でわかっていても染み付いた日本人っていうのが消えないんでしょうね。つよしさんはどうですか?
こちらで3年以上イタリア人と働きましたが、仕事面ではいいかげんすぎて合いませんでした。(苦笑)子育てにしてもそうです。こちらで生まれ、生活していく子供に、私がいいと思う日本の教育はいったいどこまでいいといえるのか疑問に思う部分がたくさんあります。
日本にいればイタリアが良い部分がたくさんみえて、イタリアにいれば日本の良い部分がわかります。でも、信念を持っていればどこでもたくましく生きていけるのかもしれませんね。私もつよしさんのように前向きに生きていきますよぉ〜。
僕がイタリアに初めて来たとき、希望なんか持っていたかなぁ〜。新天地で頑張るぞっていう気力だけはみなぎっていたと思います。毎日がワクワクで疲れ知らずだったなぁ〜。
> nasaさん
僕もイタリア人のペースというかスタイルには慣れないところがたくさんあります。同じく「いい加減さ」には最初ほとほと嫌気がさしました。今では慣れ過ぎてイタリア人に『ツヨシはナポリ人だ』と言われることもあります。でもかなり真面目なナポリ人だと自負しています。ハイ。
> tommy=breakfreeさん
おっしゃるとおり、僕も日本人からよく「のんびり生活できて羨ましい」と言われます。ま、そのたびにカチンとくるのですが、人からの良い評価や意見をもらうために頑張っているわけではないので、最近は極力気にしないようにしています。努力や頑張りは栄養となって、必ず自分の成長に役立っていると信じています。とか偉そうなことを書いてみたりして・・・ヘヘヘ
最終的には何のために生きているか、を考えなくてはならないでしょうね。僕たちはみな幸せになるために生きていると思うので、その我慢や忍耐っていうのが、本当に自分にとって必要か、ということでしょう。(日本人は)国内紛争があるわけでもなく、日本にいて貧困で餓死することもないので、やむを得ず外国に出たという状況ではないですよね。自分が外国で何をしたいか。無理する必要もなく、差別などで苦しむよりも、日本に帰るのも1つの幸せに生きる道かな、と最近は考えています。
確かに人生を思う存分楽しんでいるのはイタリア人でしょうね。
人生一度きりですし、楽しんだ者勝ちと言いますよね。
しかし、イタリアも日本同様、様々な問題を多く抱えていますよね。
社会活動家のベッペ・グリッロさんのサイトでイタリアの状況を勉強させていただいております。
「Beppe Grilloのブログ」
http://www.beppegrillo.it/japanese/
あと、何故途上国と先進国に貧困の格差があるのか?
何故戦争は起こるのか?
日本や世界をダメにしている勢力は誰たちなのか?
真実を知ることも大事だと思います。
日本の社会活動家である安部芳裕さんの運営するコチラを参考に(^_^;)
http://anti-rothschild.net/truth/index.html
サイト
「反ロスチャイルド同盟」
http://anti-rothschild.net/index.html
失礼しました。
m(__)m
ずっと、時々ブログを拝見させていただいていました。
私はイタリアの会社と仕事をしていますが、彼らは家族をとても大切にしているけれど、仕事もきちんとしています。
そんなスタイルにとてもあこがれ共感していますが、日本にいるとなかなかそうは暮らせないのですよね。
つよしさんの金曜日にちょっとドレスアップで出社というのはなかなか粋で素敵ですね!
私は自営業なのでそうはいきませんが、自分の時間を持つとか、自然に触れる時間を持つとか、自分で機会を作って実践していくべきだなぁ。そうでない限り、日々のことに押しつぶされてしまってもったいないよ〜!と、つよしさんのブログの写真やお話を読んでいるととてもそう思いました。
また遊びに来させていただきます。
初めてのコメント緊張しますが、いつかお目にかかってみたいあこがれのつよしさんです♪
私も出来れば留学中、そのまま移住したかったですが。
滞在許可の問題もあり、帰国した次第です。
それはさておき、
イタリアで日本人が見つけるもの、ってなんでしょうね。
人生を謳歌するのは、誰でもないこの私
私は私のやり方で生きる
人生をいかに楽しむか、彼らは知ってると思います。
そして、良い意味でも、悪い意味でも、彼らは自分に正直ですよね。
日本は、80年代から豊かになって、お金さえあれば、という風潮が強くなり、その結果、物質的な幸せばかりを求めるようになってきたように思います。
物質欲は、時として向上心をもたらすと思うのですが。
どこかで私達の社会は、生きるという意味を取り違えてしまったのかも知れないですね。
何もなくとも、自分次第で人生は楽しくなる。
その見本をイタリアで見出したように思います。
自分に正直に、でも、我儘ばかりでもなく
これが今の私の理想かもしれないです。
彼らのような、「エゴの塊」にはなれませんが(苦笑)。
でも、長い人生、気楽にいこうぜ!
というのも学んだ気がします(笑)
あまり気負わずに、今思うことを追い求める。
で、疲れたら休んじゃえ。
その絶妙な緩急がいいんですよね、きっと。
長くなりました。
それでは。
ふとしたきっかけでこちらのサイトにたどり着きました。
ツヨシさんの文章、うんうんうなずきながら読みました。
先日カナダから帰国して日本で仕事を探している最中なのですが、その際に向こうでは仕事もしていたけど仕事以外の時間を凄く楽しんでいたなーと実感
イタリア人の同居人もそうでした。
これから自分が日本で暮らしていくのかまた
海外にでるのか先のことはわからないけど
とにかくいい塩梅でどちらも楽しめたらいいなと思っています。
日本人は人生を楽しむのが少々ヘタですよね。良い塩梅に手を抜くのが必要なんでしょう。外国に見習うことはたくさんありますよね。
管理人さんの偏見ですよ。一概に言えないと思いますよ。
長く仕事をしてるからといって必ずしもストレスになるとは限らないじゃないですか。
仕事が楽しければストレスにならないだろうし。
仕事が長くて家族と過ごす時間が短くてもうまくいってる家族もいるでしょうし。
>日本人は人生を楽しむのが少々ヘタですよね。
人によって何が楽しいのかは違ってくるし、外国人も人生を楽しんでない人はいると思いますよ。