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ツヨシのイタリア生活日記ブログ

イタリア生活、ニュース、留学案内、イタリアならではの珍事などを日本人がほとんどいないウンブリア州のオルヴィエートからTsuyoshiが楽しくブログで伝えます。

2010年01月13日

イタリア国鉄にまつわる面白い話

イタリア国鉄



先日、全席指定のIC(インターシティ:急行)に乗っていたときのこと。イタリア人乗客がチケットを片手に自分の席を探してうろうろしていた。よくあるのは車両番号の間違い。僕も自分の席に向かうとすでに人が座っていたという場面に出くわしたことが何度もあり、たいていの場合は車両を勘違いして座っているケースだ。今回もそんなことかと声をかけようとすると、前から車掌さんが登場。これで一件落着かと思いきや・・・


乗客「私のシート番号が見あたらないんだけど」
車掌「どれどれ、6号車の101番・・・」
乗客「そう、101番。でもこの6号車は92番までしか座席がないみたいよ」
車掌「たしかに、こりゃ失礼。調べて戻ってくるよ」
・・・
車掌「出発前に車両変更あって席数が少なくなったようだな、ハッハッハ。でも安心してください、87番と89番は空席だからそこに座ってくれていいから」


僕は耳を疑った、ウソだろう?
斜め前の男性と目が合うと彼はにやけ顔。つられて僕もにやけてしまった・・・本当だったんだ。
その後も新しい駅に着く度に席のない人たちが乗り込み、そして同じことが繰り返された。でも怒る人はいない。むしろこのハプニングを楽しむかのように乗り合わせた隣の人とおしゃべりを始めている。

こういう場面に出会うと、イタリアっていい加減だな、そして「強いな」と思ってしまう。乗客は誰も怒らない。みんな慣れているのだろうし、そもそも怒ったって何も解決しないんだから。


今、フィレンツェに向かう電車の中で本文を書いているのだが、1本前のミラノ行きの急行が40分遅れていた。
オルヴィエートの小さな駅は待ち人で溢れていて、その中の一人が珍しく駅員に詰め寄っていた。
男性「なにがあったんだ?いつまで経っても来ないぞ」
駅員「前の駅で列車のタイヤがパンクしたみたいで、今交換中だからもう少し待ってよ」


たくましい!
列車の遅れにたいした理由がないのだろう・・・。
その男性はその後どうしたかって?駅員の説明に納得したのか、仲間のところにおとなしく帰っていったよ。

【2010年1月13日 堂 剛】


タグ:イタリア
posted by Tsuyoshi at 19:04 | Comment(20) | TrackBack(0) | イタリアの面白い話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんわ
いつも新投稿こころまちにしてるんです。

素敵ですね。なんだか電車の遅延も席の消失(!)も豊かなふれあいになってるみたいに思えました。
時間の流れる感覚が東京とはちがうでしょうね、きっと。。
Posted by bun at 2010年01月14日 03:50
これ日本だったらどうなるんだろう・・・。
車掌さんもうまい具合に納めてくれればいいけど、融通きかないようなイメージがあります。

日本は電車が40分も遅れたとなれば、すごいニュースになるような国ですもんね〜。

時間にピッタリな日本とのんびりなイタリア。
どっちがいいとは選べないですけど、こういうことがあると考えちゃいますね。
Posted by ひさ at 2010年01月14日 10:36
こんにちは!!

ヴェネツィア〜フィレンツェ間の列車で
同じようなことがありました。

ありがちですが、乗り込むとボクの席に
先客が。
PCやら書類やら広げていて、
空いてる席に座れと言われましたが、
一度ならともかく駅に停車する度に席を
移動するのも落ち着かないので、空けて
もらいました。

しかし列車変更で自分の席がないなんて
日本じゃ考えられないですね(笑)

Posted by JUN at 2010年01月14日 12:45
初めまして、正月中に堂さんのブログ読破しました!
面白すぎて、止まらなくなってしまいました。
ローマに二年ほど前に観光で行ったきり、再訪できていませんが、またいつか行ってみたいなと夢見ています。
イタリアに行った感想は、中国みたいだなーと思いました。鉄道の適当感もそっくりです!指定通りのところに停車しないんですよね。中国も・・・
勝手にリンクさせていただいちゃいました。
またよろしくお願いします。
Posted by zuozuomu at 2010年01月14日 15:49
> bunさん
『投稿心待ちにしている』との言葉、とても嬉しいです。一人でもそういう方がいる限り、発信し続けていきたいと思います。こういう良く言えば「のんびり」、悪く言えば「いいかげん」はイタリアの魅力ですね。ただ住んでいるとイラっとくることも実はあるんですよね。まぁでも楽しいです。
> ひささん
そうね日本はあまり融通が利かないよね。だから何かトラブルにあったときに弱いよね。日本人はイタリアに来るとびっくりするし、イタリア人も日本を旅行すると驚愕するそうです。
> JUNさん
「空いているんだから、他の席に座って」というお願いはホントよくありますね。僕はまだイタリア語が話せるから良いけど、あれで旅行者が頼まれたら、駅で新しい乗客が乗ってくる度にドキドキするだろうな。それを思うとちょっと可哀想ですよね。
> zuozuomuさん
ブログ読破ですか!?それはお疲れさまです。同じようなことが書いてあっただろうから、体力・気力を消費したのではないかと心配します。そう、そう、中国に行ったことがある人はイタリアを「中国みたい」と感じるようです。zuozuomuさんのブログも読ませていただきます。
Posted by Tsuyoshi Doh at 2010年01月15日 03:17
堂さん、楽しくて疲れたなんて感じなかったです。それに、写真もとってもお上手ですよね。うらやましい。
イタリアのゆるい感じが好きですね、やっぱり。私のブログはまとまりのないブログですが、ぜひ、どうぞ。
Posted by zuozuomu at 2010年01月15日 08:17
電車の遅延には自分も慣れてしまいました。
1時間くらいであれば「カフェでもして待っていよう」と気楽に対応できます。
以前シチリアで450分遅れの列車があって、乗客は生きているのかと思いました。
そのことを宿の人に話したら「昨日は一日遅れだったよ。」とこともなげに言われて驚愕した次第です。
Posted by Yusuke at 2010年01月15日 09:43
ツヨシさん、あけましておめでとうございます。
指定席が無いなんて想像したこともありませんでした。
ほんと、イタリアの当り前は日本の当り前と違うし、その逆もありますね(笑)
以前、イタリアからの旅行客がホームで電車が止まるところを動画撮影していました。
どの電車もきちっと決まった線で止まるのが珍しいそうです。
日本のこういうキチっとした処、とてもいいことだけど、それがプレッシャーになったり、周りが当り前と思って感謝がなくなってしまうというのは悲しいですよね。
今年もブログを楽しみにしています♪
Posted by maron at 2010年01月15日 12:15
> zuozuomuさん
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
> Yusukeさん
そうそう、列車の遅延は慣れるよね。仕事で電車を使う人は大変だろうな、と思います。良く乗るフィレンツェ行きの各駅列車は2時間おきに運行しているんだけど、その列車が2時間遅れになったときは、あ、一本減ったな、と感じています。
> maronさん
そうだよね、僕も日本に住んでいたら指定席がなくなるなんて世界を想像もしなかったろうと思います。そういう小さいことを含め、世の中には想像できないことが色々とおこっているのですよね。今年もよろしくね。
Posted by Tsuyoshi Doh at 2010年01月15日 16:52
イタリアの列車・・・
ちょうど日本の衛星放送各局で取り上げられて放送しています。
先週はコルシカ島縦断とかESスターでイタリア縦断とか旅行番組が放送されていました。

僕も同じような経験しました。
ちょうど15年前の1月のことでした。
ヴェネチアのサンタルチア駅からボローニャに立ち寄ってフィレンツェへ。
その後ピサへ立ち寄ってローマへ・・・

ピサ駅で待つこと45分。不安でいっぱいだったことを思い出します。
しかしローマまでの道中でその差をかなり詰めていて到着したのは驚きでした。

帰国当日のローマ・フィウミチーノ空港で阪神大震災のニュースを初めて知ったのでした。(合掌)

ところで、この記事中で「前の駅でタイヤがパンク・・・」というのがミソなのでしょうか?
電車なのにタイヤとは、かなりきついジョークにも思えたのですが(笑)
Posted by tarzan at 2010年01月15日 23:59
こんにちは、kndchkと申します。
私もイタリアに関するブログを書いていますが、つよしさんのブログと違って、愚痴ブログが圧倒的に多いです。自分のブログを不満のはけ口にし、自己嫌悪に陥ると食べ物やレシピでゴマかしている、という・・・。
つよしさんの場合はたとえ愚痴っていてもイタリアへの愛情が感じられるポジティブなブログですね。私も見習ってポジティブ思考で行こう!(さて、続くかな・・・)
Posted by kndchk at 2010年01月16日 23:48
こんにちは、つよしさん。
相変わらずイタリアの電車は進歩してませんね・ 私も何度も遅れひどい目にあいました。でも慣れって不思議ですよね。10分くらいの遅れはあたりまえだし、ま〜しょうがないかって思えてしまう。日本は本当にすごいですよ!!バスも電車もほぼ遅れず完璧ですよ。

そうそうOrvietoのB&Bとっても素敵ですね。
やはり家具や雰囲気が洗練されてますよね。
次回はここに宿泊しようかな〜〜
その時はよろしくお願いします! 

Posted by Ami at 2010年01月17日 11:56
こんにちは!
以前にイタリアのラジオ放送を日本で聞けるか質問した者です。突然のメールでしたのに、その節はありがとうございました!

ブログいつも楽しく読んでいます♪

電車での珍事件はイタリアでの楽しい日々を思う時に必ず思い出します。
命にかかわることではないし、文句言うより、居合わせた人たちと話したほうが世界が広がりますもんね。
今の東京では考えられないです(悲しい)
皮肉にも、毎日のように自殺が原因の人身事故で電車は遅延・運休してたりしますし・・
日々の何気ないところで、日本人の几帳面さとイタリア人ののんびりさ、どちらが人生を楽しくできるかな?って考えちゃいます。

私の出会った珍事件聞いてください。通貨がまだリラの時代の話です・・
ダビンチ空港からローマ・テルミニ駅までの切符を買っていたら、ナント!ストライキ突入・・窓口で返金を求めたら、「明日使ってよ〜」ってピシャッと閉められちゃいました。
今日来たばかりで、明日空港に用はないのに・・
でもその数日後には、地下鉄で切符を買おうとしたら券売機が動かない・・駅員に聞くと、「今から午後5時までメトロもバスも乗り放題になるよ〜」って、なんて素敵な国なんだってウキウキしました。
電車の話じゃないけど、あるスポーツショップでのこと、ハンガーに付いているサイズ表記は”S”、つるしてあるジャージ上下は完全にXLくらい・・
商品にも180って書いてるから完全に女のわたし用じゃない。
何度も変えてほしいと言ってるのに、でも店員は見事なジェスチャーを織り交ぜながらこう言ったんですよ、
「日本へ帰って裾上げしたら問題ないよ〜」って。
面白いからそれを買って、そのままぶかぶか状態で今でも着ています。

イタリアはずっとこうでいてほしいな。これをだらしなくて嫌いとか呆れる人もいるけれど、彼らはきっと人生を楽しく生きる術を知っているんだと思います。la vita e bella・・ちょっと違うかしら。
まちがっても将来、経済大国なんかを目指し、競争社会になっちゃって余裕さを失ってほしくないです。
大丈夫でしょうか・・
Posted by tomo at 2010年01月17日 15:25
> tarzanさん
そうです、イタリアの列車は遅れて発車しても途中猛スピードで追いつこうとします。まあ、到着してさらに大幅遅延したってこともありますし、途中の駅で列車を変えろというアナウンスがあることもあって、なかなかスリリングです。
> kndchkさん
はじめまして。ヴェネツィア在住なんですってね。いいなぁ〜。羨ましい。でも僕には家賃が高くて手が出ない・・・ブログがはけ口になる気持ちよく分かります。異国に住むと色々と大変ですよね。でも愚痴はクセになるので、どうぞ頑張ってポジティブなことを書き始めてくださいな。
> Amiさん
これでもイタリアの公共交通機関はまともになったほうなんですよね。とか思っていたら先日は全線遅延で裏切られた感がありました。B&Bお勧めですよ。
> tomoさん
イタリアの困ったエピソード楽しく読ませていただきました。たしかに僕もそうですが、イタリア好きとしてはこういうルーズなところがまた魅力になるんですよね。ただ良い悪いでいうと「悪い」であろうから良くなって欲しいな。最近はイタリアでも「才能の国外流出」が問題になっていますが、こういうルーズな国だと頭のいい人はどんどん外に出て行くと危惧しています。
Posted by Tsuyoshi Doh at 2010年01月17日 19:35
イタリアの鉄道事情は、日本ではありえないくらいひどいですよね。以前、友達の母と、ヴェネツィアに行こうと電車を待っていた時、時間通りにきて、「時間通りだわ!!」と逆に驚いていたり。
チケット買う時も、確認しないと、もう出発した電車のチケットよこされたり。
私は、ユーロスターで、指定された自分の席に座れたためしがありません。(必ず誰かが座ってるし。)
私的には、ユーロスターの車内アナウンスで、「大きな声で話さないで。」というのがあるのが、けっこうツボです。確かにイタリア人、声デカイ。
電車がホームに入ってくる直前まで、何番ホームかわからなかったり。フィレンツェサンタマリアノヴェッラの駅で、ホームが表示されたとたんに、皆一斉にスーツケース引いて移動していたのが、懐かしいです。
イタリアに行ってから、日本の電車って凄いな、と思ったけど、JR西日本の事故があったり・・・考えさせられました。
多少の遅れはいいんじゃないか、と。
イタリア人のおおらかさ?は日本の生活で忘れてしまっていた、本来の人間らしい生活の中で育まれているのかな?と感じました。
Posted by kurogoru at 2010年01月18日 13:29
この大らかさが良いか悪いかはおいといて。
羨ましいです。。

毎朝、1分1秒の為に急いでいる自分が悲しくなります。
1分1秒を大切にしているようで、羨ましい。
数年前、わずか数分の遅れを取り戻そうと列車を規定以上の速さに走らせ、何百人も亡くなった列車事故がありました。
その後、イタリアを旅したとき現地の人とその話になり、
日本人は命よりも時間を大切にするのか?イタリアだったら絶対ない、ありえない。
と、言われました。

不便な点も多々あるけれど、それを受け入れる人々の鷹揚さ。
時間の流れがゆったりと感じられます。
Posted by saseko at 2010年01月18日 14:56
> kurogoruさん
イタリア国鉄の話、思い当たることが多くって笑ってしまいました。時間通りに来て驚いたり、違うホームに入線して慌てて移動したり・・・多少の遅れは気にしないのが一番ですよね。
ずいぶん昔、イタリア人の友達と「日本に全イタリア人が住んで、イタリアに全日本人が住んだらどうなるか?」って話をして大笑いしたのを思い出しました。イタリア人の友達曰く、日本は3日ですごいルーズになるよ、と自信満々でした(笑)。
> sasekoさん
JR西日本の事故はイタリアでも大きく報道されました。みんなびっくりしていたし、日本人の生真面目さに悲しんでいました。日本人の問題の根の深さは、多くの人がこの「ゆとり」の大切さを認識していないことだと思います。時間に正確なのは素晴らしいことだけど、実は臨機応変に行動することって頭を使う難しいことなんですよね。
Posted by Tsuyoshi Doh at 2010年01月18日 16:53
はじめまして。

私も、去年の夏にイタリアに留学していて、同じようなことがありました:D

以前、アメリカに留学していた時も、バスは時間どおりには絶対来ないし、ある時はバスがルートを間違えた!めちゃ適当な交通機関でした(笑)
日本ではありえないですよね!

ずっと英語の世界にいたのですが、ひょんなことからイタリア人の友達ができ、イタリア語を勉強することになり、去年はPadovaに留学していました。その後、Firenze, Siena, Assisiを一人旅しました。残念ながら、Orvietoには行かなかったな・・・。
今年は、PerugiaかFirenzeに長期留学しようと計画中です。もう若くはないのですが、やりたいことはやりたい!

また何か相談することがあるかもしれません。よろしくお願いします。

ブログも楽しく読ませてもらっています;)
Posted by miwa at 2010年01月19日 23:32
> miwaさん
長期留学いいですね〜。楽しいよな〜。今後ともよろしくお願いします。
Posted by Tsuyoshi Doh at 2010年01月20日 01:54
こんにちは。イタリアの鉄道事情・・・皆さんは、どのように計画など立てられるのでしょうか・・日帰りで遠くまで行きたいなど・・40分遅れなどあった場合、帰れなくなる可能性は大きいですよね・・?どういう風に対応しているのでしょうか?帰れなくなった場合、ホテル代などもバカにならないですし・・。学校なども大きいですよね・・登校時間は無い?そんなことは無いですよね?バスの遅れなどは、免除って事は無いですよね?
Posted by mari at 2010年01月21日 00:10
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