全国紙La Reppublica日曜版に付いてくる雑誌「D」に掲載されていたアレッサンドロ・バリッコ(Alessandro Baricco)の一問一答が面白かったので訳してみます。アレッサンドロ・バリッコは現代イタリアのベストセラー作家の一人で、小説では「絹 Seta」、映画では「海の上のピアニスト」が有名です。
それでは早速、一問一答を紹介します。
おそらくイベントでの一般参加者からの質問でしょう。
- 13才の時に何がしたかったか?
- 神学校に行くのを止めること
- もしある日、絶対的な力を手に入れたら、まず最初に何をするか?
- 電話線を抜くよ
- あなたの人生が映画になるとしたら監督はだれ?
- ニキータ・ミハルコフ(Nikita Mikhalkov)
※監督作品:「太陽に灼かれて」、「十二人の怒れる男」など - 地獄で読書と映画鑑賞を永遠に強制されるとしたら何を選ぶ?
- 本も映画も「絹 Seta」だな。ハハハ。
※自身の小説 - 一人の子供が「なんで人は死ぬの?」と聞いてきたら何と答える?
- おう、坊や。僕がそれを分かっていたら、ここで君と遊んでいると思うかい?
- 天国とはどんなところと想像するか?
- 神のいない世界
- 家が火災にあったら何を救出する?
- 僕のアイデア帳。おっと、そして妻と子供たちだよ。でも大丈夫、猫よりも先だから。
- 決して身につけない物は?
- 黒の下着
- 本当の贅沢とは?
- とっても好きな物で、でもほとんど使わないものを所有すること。
- 人についてこれだけは分からないというものは?
- 良い人か、そうでないか
- 女性に生まれ変わったとして、最初に試してみたいことは?
- ここで言えるようなことはない。
- 子供と大人の違いは?
- 違いなんてあるのかい?
- 今まで行ったことがなくて、行ってみたい場所は?
- ディケンズのロンドン
- 欲しかったのに、手に入れられなかったものは?
- 楽器の完璧な演奏
- 子供に「幸せ」について何と説明する?
- とてもゆっくりしたもの
- 素晴らしい世界において廃止すべき言葉は?
- 『終わり』
【2010年11月6日 堂 剛 - Tsuyoshi Doh】(写真:チヴィタの教会)
本当に面白い一問一答ですね。
13才の時に何をしたかったか。→神学校にいくのを止める事。
共感します。私は、小学校に6年間も通えない。と思って、行きたくなかったなぁ〜。
aritaさんと同感で、「幸せ」が、ゆっくりしたもの、と言う表現は深いな、と思いました。ただの時間の流れだけではないのでしょう。時間は皆同じに流れていきますが、そのなかで、どれだけゆっくり感を感じられるか・・・・
人についても、やはり、良い人かそうでない人か、は、難しいですね。人間は、善悪だけでは無く、色々な側面を持ってますから。不良が、ゴミ拾う、じゃないけど、私も、世の中で一番怖いのは人間で、一番興味深いのも人間だと感じています。
「絹 seta」読んでみたいと思いました。
以前から憧れていたイタリアに今春新婚旅行で訪れて、もっと好きになって帰ってきた者です。
オススメの映画を何本か拝見させていただきました。今、「イル・ポスティーノ」を見終わったところです。淡々と進んでいく中に、人の想いを感じさせてくれるステキな映画でした。海岸もとってもきれいでしたね。カプリとかアマルフィとか旅行で訪れた海の風景が蘇ってきました。
「海辺のカフカ」を読まれたとの事。私も読みましたが、難しかった(笑)です。ちょうどこちらで出版されている村上春樹さんのインタビュー本には「イル・ポスティーノ」のマイケル・ラドフォード監督とお鮨屋さんで監督作品の「1984」の話を織り交ぜて(?)話をされ、その後「1Q84」のタイトルができたとあります。「1Q84」は私もまだ読んでいないのですが、いつか読んでみたいです。そちらでも発売されたら、ぜひ。
絵を見るのが好きで、こちらでもよく出かけます。先日、何人もの画家さんの展覧会の中で、イタリアの街を描いている方がいて偶然お話ができました。取材旅行のお話しで「イタリア人はワラビを食べないから、あたりにたくさん生えていて、いっぱい摘んで食べた。」という話が印象的でした(笑)。イタリアの方って、山菜食べないんですね。近々個展も見に行く予定で、どんなイタリアの街並みが見られのか楽しみです。
今日こちらは立冬。どんどん寒くなってきていますょ〜。それでは、また。
なかなか興味深い質疑応答ですよね。幸せはみんなのすぐ横にあるんですよね。それに気づくか気づかないかは、その人の行き方にかかってくるんだと思います。
> kurogoruさん
「絹」はなかなかロマンチックで、一読の価値ありますよ。僕も読み直してみようと思います。
> chieさん
ワラビは分かりませんが、イタリア人も結構、山菜・野草を食べますよ。田舎に行くと山には行って大量に摘んでいる人をよく見かけます。
カッコいい人ですね、人間っぽくてロマンチストなところが作家のにおいを感じます。