僕は見た目が若く、イタリアに初めて来た時などは28才だったのですが、イタリア人に18才に間違われたほど。ヨーロッパ人からみると日本人は皆若く見えるようだけど、僕は日本人からも5才くらい若く見られるタイプなんです。精神年齢が低い?という辛口批判は今回置いといて、昔から「若作り」には自信があったのです。しかし、イタリアに住み始めて経済的危機に絶えずさらされ、終わりの見えない不安トルネードの中をもがいていると、ふと鏡の中の僕に「シラガ」を発見することも多くなり、ピチピチだった肌も「私たちそろそろお疲れですかも・・・」という弱気の声が聞こえてくる感じがしてきました。
そんな時は慌てて、プルーンやグレープフルーツなどビタミンの多そうなフルーツを買い込み、自力アンチエイジングで悪あがきをするのですが(←もちろん大げさです)、いかんせん34年目に突入する人間というのは、ただ外見の肉体的な変化だけでなく、実は気づかないうちに内からもエイジングという波が押し寄せており、今回それを目の当たりにしてしまったのです・・・。
それは、オルヴィエートに留学に来ている1人の女の子が日本からクッキーを持ってきた、というあまりにも可愛すぎるきっかけから始まりました。僕よりもだいぶ年下にあたる留学生たちが楽しくおしゃべりしているところ、その1人が僕にも声をかけてくれました。
学「Tsuyoshiさんも、クッキーいかがですか?ディズニーランドのクッキーで美味しいですよ!」
ツ「くまさんの形か、かわいいねぇ〜」
学「あ、ツ、ツヨシさん。それミッキーマウスです・・・」
一同「・・・」
みんなが笑い飛ばしてしくれたら・・・、もしくは自分で笑い飛ばす度胸があったら、どんだけ救われたことだろう・・・。
ミッキーの形をみて「くまさん」という言葉が自然と口から出る思考回路は、まったくもって大正に生まれ、平成元年に亡くなった僕のおじいちゃんと一緒です。
この日以来、若い子の僕を見る目が変わったような気がしてならなく、モツ煮をつまみに「ぬる燗」でも飲みたいなぁ〜しみじみ思う今日この頃です。ハイ。