手続き行動開始が去年の11月。そこから約4ヶ月ようやくイタリアの運転免許が手に入った訳ですが、その長い道のりを報告します。今後、イタリアに来てイタリアの運転免許を持ちたいという酔狂な人がいるのかは定かではないですが、苦労した自分を褒める意味を込めて、険しくはないけどほとほと疲れる申請手続きを説明していきましょう。
まずは、これが今回手に入ったイタリア運転免許証。クレジットカーズサイズでなんだか偽物に見えるほどシンプル。でも下の写真をよく見てください、写真部分は僕が申請書類に貼った証明写真を上から撮影してます。イタリア人、ズボラすぎ!!!
写真の中に、写真の僕がいます。
イタリアと日本とでは2004年から免許の切り替えが可能になりました。日本の免許を持っていれば、イタリアで書類申請するだけでイタリアの免許証が発行される仕組みです。切り替えの申請は各県陸運事務所( Motorizzazione Civile ) 、アウトモービレ・クラブ( Automobile Club ) 、自動車学校 ( Autoscuola ) で可能ですが、今回は僕が自動車税を払っている事務所「アウトモービレ・クラブ」に行って色々と聞いてきました。この事務所が近所にあって、しかもそこのお兄さんがとても親切、というだけで超ラッキーです。オルヴィエートに住んでいてよかった〜と思った一瞬です。
老婆心ながらアドバイスを一つ。こういう公共の手続きや申請の場合は、イタリアでは第一印象がとても大切です。朗らかで快活に、かつ最上級の笑顔で挨拶しましょう。僕の場合「若くて美しい女性でない」というマイナスポイントが加算されるので、余分にニコヤカな笑顔が必要となります。
目標とする笑顔を考えてみました。
僕が最近一押しの女優、ジャスミン・トリンカ (Jasmine Trinca)さん。知的な笑顔がいいですね。「知的な笑顔」は僕にはちょっとハードルが高いな・・・それでは
世界で最も有名なイタリア人作の笑顔。モナリザの微笑み。イタリアでは彼女の名前からジョコンダ(La Gioconda)といいます。この笑顔を僕がやると笑っているのかふて腐れているのか伝わりにくいですね。しかも女性の笑顔からテクニックを学び取るのは無理があるかも・・・そこで男性で満面の笑顔といったら・・・この人、
「バロンドール」受賞のカンナバーロ。これぞ笑顔って感じですね。陽気なナポリ出身が全面にでています。イタリア人にアピールするには純粋さも必要でしょう。そこで参考にしたいのがこれ、
120点です。この笑顔を見て頬を緩めない人はいないでしょう。
この笑顔を十分に練習して挑んだところ、担当のおにーさんの言ったのが下記書類を集めれば「3週間」で発行されるとのこと。しかしながら僕の笑顔が不足だったのか結局発行まで4ヶ月待ちました。イタリア社会では約5倍の時間的余裕とおおらかさが必要ということがわかります。
早速実践へ。まずは必要書類を揃えなくては話になりません。でもイタリアで書類を全部用意するのがとても難しいです。なぜなら「たらい回し」にされるから。笑顔が足りないと「大たらいまわし」にされます。必要書類を順に見ていきましょう。
CONVERSIONE PATENTEESTERA: 免許書の切り替えについて
- Certificato medico in bollo con foto(写真を貼った印紙付きの医師診断書)
- Certificato di residenza con relativa cronologia delle residenze in Italia(イタリアの住所・転居証明書)
- 2 foto recenti formato tessera su fondo bianco ed a capo scoperto, su carta non termica(最近撮った証明用サイズの写真、背景白、帽子なし、感熱紙不可)
- Un documento di riconoscimento in corso di validita'(滞在許可証)
- Traduzione patente estera in bollo e giurata in tribunale con allegata fotocopia(日本運転免許を翻訳した書類、印紙を張り、司法機関で宣誓済みでコピーを添付)
- Fotocopia patente estera ed originale in visione;(日本運転免許証のコピーとオリジナル)
一見難しそうですが、集めるのは根性だけです。では順を追って見てみましょう。
まずは2番の住所・転居証明書をゲットしたいと思います。オルヴィエート市役所に行きました。威圧感がありますが住所変更や住民票の取得などでなんどかおじゃましているので、そんなに心配はありません。
Comune(市役所)に入って"CERTIFICATO STORICO DI RESIDENZA"を欲しいと言います。すると僕が今までイタリア国内のどこに住んでいたかの履歴を調べて、それを書面にして発行してくれます。所要時間10分、費用2.50ユーロ。とてもスームズで親切。担当の人が女性で外国人に慣れているからかな。
続いて医師診断書を取得します。ASL (AZIENDA SANITARIA LOCALE 地域保険公社)というところに行きましょう。
イタリアのどこの病院もそうであるようにここも並ぶ必要あり。書類作成には手続き料17.40ユーロ、14.62ユーロの収入印紙、証明写真1枚が必要。手続きを開始するのに待ち時間は20分。さらにお医者さんの手があくまでに待つ事20分。診察自体はすごくいい加減で、「心臓の持病は?」「ない」「糖尿病は?」「ない」などと問診が進むのですが、僕ははなっから「全部ないです」と言ってすぐに全部「NO」にチェックしてもらいました。
視力検査は僕にまず裸眼の視力を聞き、壁にかかった地図を読ませる。普通の世界地図をさすので当然勘で当たるんだろうけどここは正直に答えました。続いて眼鏡をかけた状態でのチェック。そして眼鏡の度数を僕が教える。ここでは機械的なチェックはなく全て自己申告制。うまくやれば眼鏡義務を避けられるのかもしれないけど、僕は眼鏡なしでは自分が怖いので眼鏡ありで満足。1時間近く待って診察時間は5分というイタリアらしい結果。
最後の重要な書類が「裁判所での宣誓が必要な運転免許証の翻訳文」。ようするに「この免許証は僕の持ち物で、マニュアル車が運転できて、眼鏡が必要で、いつまで有効で、きちんと日本政府が発行したものですよ」ということを宣誓する必要があるのです。この翻訳文は自分以外の人が宣誓する必要があるので、イタリア留学中の日本人の友達に頼みました。翻訳自体は僕がして、彼女には一緒に裁判所までつき合ってもらって、簡単な質問に答える程度の作業です。待ち時間を入れて約1時間程度で完了。
他に、滞在許可証のコピー、免許書のコピー、証明写真などを持って再び「アウトモービレ・クラブ」へ。ここまでで1週間。順調です。しかし結局発行されたのは4ヶ月後。その間もしばしば「状況は?」と聞きにいきましたが、返事はいつも「順調、順調。もうすぐできるよ」。久しぶりにイタリア人のルーズさを再認識しました。
免許の裏面はこんな感じ。
普通自動車のところに免許取得日と有効期限が明記されています。今気づいたけど、イタリアでも車の免許があれば原付を運転できるのかな?たしか2年くらい前に法律が変わったはずだけど・・・
<結果>
1年おきの国際免許の更新が面倒だからと始めましたが、イタリアの免許に切り替えると日本の免許証が没収されてしまいます。ということは、日本に行くときはイタリア政府発行の国際免許が必要になる訳で、ちっとも便利になった気がしません。
数少ない利点は、
- 大きい国際免許証が、免許証がクレジットカードサイズになった
- イタリア政府発行の国際免許は2年間有効
・・・なんだか、ちっちゃい改善だなぁ〜
事前に免許申請の情報を集めた時に「申請を行うことによりイタリア運転免許証交付までの間、イタリア運転免許証の役割を果たす書類が発行される」ということでしたが、僕が受け取った引き換え証には大きく「この書類は運転免許証のかわりを果たすものではありません」と書いてありました。どうして???
イタリアってこんな感じです。ハイ。
読んでいて気がついたことを置き土産に。。。
イタリア発行の国際免許証では日本で運転できないので要注意です、帰国する機会があれば運転免許試験場で書き換えのために没収されたことを告げるとイタリアに取り上げられた日本の免許証を再発行してもらえますよ。
住民票が日本に無い場合でも可能でした。
参考まで(^^)
先ほど、メールにて返信しましたが、ここでも簡単に説明を。詳しくは「免許更新 海外」で検索すると各自治体発信の情報が見つかります。
1.海外滞在者であれば日本の免許証は、3年間失効しません。3年以内であれば再申請ができます。その時、海外にいたことを証明する書類「通常はパスポートの出入国スタンプ」を見せればオーケーです。
2.イタリアの免許証は、日本の免許証の期限とは関係なく、発行日からの期限となります。
tetsuくん
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